極貧ハワイ生活〜ハワイで不妊治療④〜
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顕微授精にチャレンジすると決めてから
順調に準備を進めて行くはずだったのに
最初の検査の段階で
私の卵巣に疾患が見つかり
片方の卵巣を摘出しなければならなくなった。
開腹手術になるので
術後２ヵ月後に
再び顕微授精の準備を始めることにした。
出鼻をくじかれ
落ち込みそうになったが職場の同僚が
『きっと未来の赤ちゃんが病気を知らせてくれたんだよ。
良かったじゃない！』
と励ましてくれた。
卵巣は沈黙の臓器と呼ばれるほど
自覚症状が現れにくく
気付かないまま症状が悪化してしまうと言う。
私自身、不調を感じていなかったので
もし不妊治療をする決心をしていなかったら
病気に気付く事はなかったはずだ。
主治医は日系人の女医さんで
英語が苦手な私と
いつもカタコトの日本語で会話した。
手術直前に様々なリスクが書かれた書類に
承諾のサインをするのだが
女医さんは一生懸命日本語で説明してくれた。
『アナタニハ
シヌチャンスガアリマス。』
死ねチャンスて。((( ；ﾟДﾟ)))
先生、言い方が怖いってばっ！
手術は成功し
死ぬチャンスは間逃れた。ホッ。
女医さんは
『あなたの卵巣は破裂寸前だったから
もし数日でも手術が遅れていたら
大変な事になっていたかも知れない。
その前に病院に来てくれて良かった。』と言った。
“未来の赤ちゃんが病気を知らせてくれた”
同僚の言葉が頭をよぎった。
術後の回復を待てば
私の方は準備万端！
不妊治療において
卵巣が片方しかないのは
大きなハンデではあるが
もう片方の卵巣に頑張ってもらうしかない。
一方ポケオも
様々な検査をする必要があった。
その一つに
タマタマを超音波検診すると言う項目があった。
ポケオのタマタマの中の
どこに問題があるのか探す検査らしい。
超音波検診って
妊婦さんのお腹にジェルを塗って
お腹の上にマウスパッドみたいな機械を乗せ
滑らせながら検査をするアレの事？
それをお腹じゃなくて
タマタマにやるの？
そんな気持ち良さそうな事をして大丈夫なのか？
『随分楽しそうな検査じゃん？』
『え？そうなのかな？（ニヤニヤ）』
病院に着き、診察室に入ると
若くて綺麗なナースが
超音波検診の準備をし始めた。
ポケオの顔が緩む。
（この男は何を期待しているのだ？）
準備が整うとナースは姿を消し
オッサンDr.登場。
（以下Dr.O）
ま、そりゃそーだわな。
ガッカリするポケオ。
（ざ・ま・あ）
Dr.Oは
これから行う検査について説明を始めた。
タマタマ超音波検査とは
タマタマの上にジェルを塗り
マウスパッドみたいなのを
タマタマの上に乗せて滑らせる
気持ち良さそうな検査ではなく、
肛門に検査用の棒をグリグリ挿入すると言う
（一部のマニア以外には）
苦痛を伴う過酷な検査だった。
ポケオの顔が恐怖でコワばる。
Dr.Oは
『大丈夫。
そんなに太い棒じゃないから。』
と言いながら
自分の指を三本束ねて見せた。
十二分に
結構な太さ。
ポケオ、
一瞬にして
天国から地獄へ。
私は笑いを堪えるのに必死だった。
検査の間、苦痛に顔を歪め
悶絶するポケオの手を取り励まし続けた私。
何これ？コント？
ポケオにとって拷問の様な検査が終わり
Dr.Oは超音波検診で撮った
画像を見せながら説明を始めた。
Dr.Oの説明をまとめると
『まぁー、色んな角度から
見てみたんだけど
結局のところ
どこに問題があるのかよくわからんかった。』
だった。
ポケオの悶絶の意味ぃ😭
Dr.Oは一番鮮明に撮れた画像を選び
プリントアウトし私に差し出して
『いる？』
と聞いた。
あー、これって
赤ちゃんが出来ました！って
妊娠した人がよく見せびらかしてる
赤ちゃんの超音波写真の
タマタマバージョンねー♡
て、
絶対いらんわっ！
と言いたかったけれど
ポケオの前でそれを言うのは
残酷過ぎると思い
『はい。』
と言って素直に受取った。
ねぇ、先生。
私にコレをどうしろと？
ちょっとした記念品？
お土産みたいな物なのだろうか？
先生の自信の一枚を
額に入れて飾れとでも？
ポケオのインサイドオブタマタマ写真……
誰かに見せる訳にも行かず
家に帰ってからすぐ捨てた。
#断捨離
#だってときめかない
お父さん、頑張って♥️
